「楽器の管理は難しそう」「お手入れがラクな楽器はある?」
お手入れが難しい楽器もありますが、日々のお手入れで楽器の寿命は延び長く素敵な音色を出してくれます。
自分で維持するにはお手入れを知ってからのほうが選びやすいので
今回は意外に知らない楽器のお手入れ方法です
- 始める前に知っておきたい楽器のお手入れ方法
- ピアノ編
- 弦楽器編
- 打楽器編
- 管楽器編
人気のある楽器やはじめやすい楽器のお手入れについて紹介します。
楽器に共通するお手入れと楽器別のお手入れを紹介しますので、ぜひどんな楽器が合うのか考えながら読んでくださいね。
共通することは環境です
楽器にはどんな環境がよいのでしょう?
高温多湿と直射日光を避けて保管とはよく聞きますが、ベストな環境は人が快適と思える環境と同じです。
実際には湿度、温度がどれくらいが楽器にとっても快適なのか考えていきます。
湿度は50%前後
楽器保管の最適湿度は40%〜60%です。湿気がたまりやすい部屋の角やクローゼットなどには注意が必要ですね。
楽器は木や革や布など自然の素材を使用しているものや、金属を使用しているものがあります。
おなじみのアコースティックギターを例に挙げてみると、ボディと呼ばれる音を響かせる部分は木でできているので湿度が高いとカビなどの原因になります。
逆にカビ防止として湿度を下げすぎると、気が乾燥して変形してしまったりひびや割れの原因にもなります。
弦は金属でできているので湿度が高すぎるとサビや劣化の原因にもなります。
部屋の湿度を管理することが大切ですが、楽器専用の湿度調整剤などで対応することも可能です。
温度は20℃前後
楽器も人が快適と感じる20℃前後が適温です。
楽器は特に温度差に敏感ですので、あまり使っていない部屋や外物置、屋根裏部屋など温度の差が激しい場所はおすすめできません。
温度が高くなったり低くなったりすると、楽器が膨張したり縮んだりします。
楽器のかたちが変形すると音が合わなくなったり、音色が変わってしまいます。
できるだけ温度差のない生活に使っている部屋での保管が理想的ですね。
直射日光には当てないほうがよい
紫外線がお肌に悪いように楽器にもよいことはありません。
紫外線は楽器を劣化させてしまうからです。
塗装の劣化や、素材自体の劣化などさまざまな悪影響があります。
持ち運びができる楽器はケースがついていることも多いので、ケースにしまっておけば直射日光からの影響を防げます。
大きな楽器は日よけのカバーをかければほこりよけにもなり一石二鳥です。
動かせない楽器は置き場所も重要
ピアノやドラムセットなど大きな楽器は、動かすことが難しいので置き場所も重要です。
大きな楽器の場合はエアコンの風も盲点となります。
エアコンの風は乾燥しているので直接当たってしまうと楽器も乾燥してしまいます。
楽器は繊細ですが、人と同じ環境ならば少しの配慮で大丈夫そうですね。
次は個々の楽器について必要なお手入れを紹介します。
ピアノ編
ポピュラーで習いやすいピアノは購入を考えている方も多いのではないでしょうか?
普段のお手入れは簡単で、演奏前と後に鍵盤や周りをやわらかい布で拭きあげます。
アコースティックなアップライトピアノ・グランドピアノと、電気の力を使って音を出す電子ピアノと、両方のいいとこどり!?ハイブリッドピアノがあります。
3つの異なるお手入れについて説明します。
アコースティックピアノ
アコースティックピアノには家庭でも置けるアップライトピアノと学校やホールなどで大きな音が出せるグランドピアノがあります。
どんなに素晴らしいピアノでも音は少しずつですがずれていきます。
半年から1年に一度調律が必要です。調律にかかる金額はアップライトで1万2千円前後、グランドでは1万5千円前後です。
調律とは楽器の音程を正しい音程に合わせることで、専門の調律師という調律の資格を持つ人にお願いすることになります。
引っ越しや部屋の中での移動は専門の業者にお願いします。
移動したときは音が狂ってしまうので調律が必要です。
劣悪な環境でない限り故障はしませんので、丁寧に使えばママやパパから子どもへと世代をまたいで使えます。
電子ピアノ・キーボード
調律は必要ありませんので、電源を入れたらすぐ音が出るので扱いやすいです。
急に音が出なくなったり、故障してしまうと修理に出さなくてはいけません。
ハイブリッドピアノ
鍵盤を押すとハンマーで弦をたたくという構造はピアノと同じですが、音は電子音なので調律がいりません。
まさにいいところどりです。
中身はピアノと同じ仕組みなのでとても重く、動かすときは楽器運搬の専門業者にお願いしなければなりません。
調律がない以外はアコースティックピアノと同じ扱いをします。
弦楽器編
弦楽器はピンと張った弦をはじいたりこすったりして音を出します。
使うたびに乾いた布でふきあげるのはどの弦楽器でも同じです。
弦を張って演奏するので、定期的に弦を交換する必要があります。
ピアノのように調律を頼む必要はありませんが、弾くたびに音を合わせるチューニングが必要です。
バイオリン・ビオラ
オーケストラはもちろん、ポップスやロックな音楽にも使われるバイオリンやビオラ。
音感教育にも優れているので、はじめたいと思っている方もいるのではないでしょうか?
高そうだしお手入れも大変そうかな?
演奏するときに松脂を使いますが、ほかの楽器より特に大変ということもないようです。
弓で弦をこすって音を出します。弓に松脂をぬってから弾き始めます。
使用後すぐでないと松脂は落ちにくいので、練習が終わったらすぐにふきあげる必要があります。
弓はずっと張っておくと負担がかかってしまうので、練習が終わったら弓毛を少し緩めて保管します。
弦と弓毛は消耗品ですので、半年に1度位の頻度で交換する必要があります。
弦の交換はバイオリンで1回7千円前後からで、弓毛の交換は1回5千円前後からです。
楽器店でも交換できますが、自分で交換できます。
ギター・ウクレレ
身近な楽器ですので、知っている方も多いと思います。
テレビなどでもよく耳にしますし、比較的購入もしやすい楽器です。
張った弦を指やピックではじいて音を出します。
弦は消耗品で、チューニングが合いづらくなったら交換時期です。
弦が切れるまで待ってしまうと楽器に負担がかかってしまうので、できれば1ヶ月〜2か月に1回は交換が必要です。
ギターの弦は千円前後から数千円と価格幅も広く選択が可能です。
楽器店でも交換できますが、自分で交換できます。
打楽器編
打楽器は叩いて音を出す楽器です。演奏前後に乾いた布でふきあげます。
ドラムと、鉄琴・木琴の扱いは若干違うので説明します。
ドラム
ドラムが叩けるようになるとかっこいいですよね。
叩くだけで音が出る手軽さで、音楽好きなキッズにも人気です。
本当に叩くだけで音が出るのでしょうか?
叩くだけで音は出ますが、演奏するには正しい音が出せるようにしなくてはいけないのです。
ドラムの中でもスネアドラムやフロアタムのような太鼓の部分は個々にチューニングキーというものを使って演奏前に正しい音に合わせるチューニングが必要です。
シンバルはチューニングが必要ないので演奏前後にふきあげます。
ドラムを鳴らすときにスティックを使います。
素材の硬さや先のかたちで音色を変えたり、身体の大きさや叩きやすさなどで長さや太さが選べます。
スティックは消耗品ですので、折れたりまがったり体に合わなくなったら買い替えが必要です。
スティックは素材やメーカーにもよりますが、千円前後から購入可能です。
鉄琴・木琴
鉄琴や木琴は特にチューニングはいりません。
鉄琴はねじで止めてありますが、響かせるため少し遊びがあるか確認します。
木琴はばねを使っているものは、伸びすぎてないかきつくないか確認します。
マレットという棒の先に球体がついたもので叩くと音が出ます。
マレットは硬いものとやわらかいものとあり、硬さなどで音色を変えられます。
マレットは消耗品ですので、先の巻いてある糸が切れたり、曲がったりしたら買い替えが必要です。
素材やメーカーにもよりますが2千円位から購入可能です。
鉄琴用の硬いマレットを木琴に使ってしまうと鍵盤を壊してしまうことがあるので専用のマレットを使ってください。
管楽器編
クラリネット、フルート、トランペット、サックスなど吹奏楽を経験していた方にはおなじみの楽器です。
映画やテレビの音楽シーンなどでもよく使われている楽器なので、音を聞いたことがある方は多いと思います。
管楽器には金管楽器と木管楽器があり、演奏後に管の中を拭くことが必要ですがそれぞれお手入れの方法に違いもあります。
金管楽器
おもちゃのラッパによく似たトランペットや、腕の動きが面白いトロンボーンは金管楽器という唇を震わせて音を出す楽器です。
大きな楽器も組み立ては必要ありませんが、演奏前にオイルを塗る箇所があります。
演奏前には正しい音に合わせるチューニングが必要です。
管の中には結露などにより水滴がつきます。水滴は金属を劣化させてしまうので演奏後にしっかり管の中を拭くことが大切です。
長時間演奏していると、水滴が出てきてしまうので演奏中にタオルなどを用意して中の水滴を出します。
頻繁にはしませんが金管楽器は分解して水洗いができるので中をきれいに保つことが可能です。
木管楽器
「クラリネットこわしちゃった」という童謡で出てくるクラリネットや、ディズニーのリトルマーメイドで王子様が吹いているフルート、ジャズといえばサックス。
フルート、クラリネット、サックスは木管楽器です。
金属でできているのに木管楽器とは?と疑問に思ってしまいます。
フルートはもともとは木でできていました。クラリネットとサックスはマウスピースという歌口にリードという薄い木の板をつけて振動させて音を出すことから木管楽器といわれます。
演奏するときにはまず組み立てます。組み立てるときにオイルを塗ります。
演奏後は管の中の水滴をしっかり拭き取ります。
金管楽器と違って水に弱いので水洗いはできません。
リードは吹いているうちに割れたりしますので予備を2、3枚用意しておきます。
見た目は金管楽器と似ていますが、お手入れ方法は少し違うので気を付けたいですね。
まとめ
今回は
- 始める前に知っておきたい楽器のお手入れ方法
- ピアノ編
- 弦楽器編
- 打楽器編
- 管楽
人気のある楽器やはじめやすい楽器のお手入れについて紹介しました。
楽器はきちんとお手入れをすれば長く素敵な音色を出してくれます。
ぜひぴったりの楽器で音楽ライフを楽しんでくださいね。
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